「マイ・プライベート・アイダホ」を見た

CSで。公開した時は予備校生だった。授業をサボって朝イチから最終回まで映画館にいた。当時は入替制じゃなかった。今思うとすごくぜいたくな時間だなあ。当時はこういうゲイテイストの強いものがかっこいいという風潮があった(ような気がする)。「ドラッグストア・カウボーイ」を撮ったガス・ヴァン・サントに対する期待もあったし、リヴァーとキアヌが出ているというそれだけでひきつけられた。二人のビジュアルの美しさを生かしまくった撮り方だったしね。マイク(リヴァー)の片思いが切なくて、カルメラが死ねばいいのにと思ってたのはアタシだけじゃあるまい。そんな表面上の美しさの中にあっさりと人生の不条理や切なさを織り込んだ秀作。ボブの存在とかちょっとウザいし中だるみする部分もあるんだけどそれは時代の空気なんだろう。
リヴァーが死んで10年経った。もうこの世にいなんだと思ってみると余計に切なくなる。自分の人生が短い事を知っていたんじゃないかとさえ思えるほどにこの映画の中に彼は生きている。役に魅入られたのかな。それにしても焚き火をやらせたらリヴァーにかなう者なしだ。