地震募金

収集癖というほどではないけれど、割と何かを集めてしまうほうであると思う。本やCDはいうまでもなく、どうしてこんなものを…というものから分不相応に高いものまで、ただでさえ狭い部屋にしこたまためこんでいる。シンプルな生活にあこがれてはいるものの、好きで集めているものには愛着があってそうそう捨てることができない。だから引越のときには大変に困った。いくつか処分したものもあるけど、ほとんどはそのまま持ってきてしまった。人間はパンのみに生くるにあらず心の栄養だよねなんて言い訳しながら。 
だけど今、田辺聖子さんの本で「阪神大震災でコレクションの食器が割れてしまい、それ以来ものに対する執着がなくなった」というようなのを読んだのを思い出した。「『番町皿屋敷』なんて地震を経験していれば1枚や2枚どうってことないだろうに」とかなんとかいうので当時は笑ったが、笑うどころじゃないあれって真理だよなァ。いのちよりたいせつなものなんて何があるだろう。
パキスタン地震でたくさんの人がなくなった。きっとみんな、そんな風に大切なものがたくさんあったに違いないけど、生き残った人たちにとって今必要なのは食べるものと着るものと、安心して眠れる場所。なのに救援活動は進んでいるようにはあんまり見えない。
災害のニュースを聞くたびに、今の自分にできることは募金することだと思う。毎回進歩がないね。募金したって本当にそれが必要な人の手にはなかなか渡らないことも、自分の自己満足でしかないってことも分かってる。分かっているんだけど今回も、やらない偽善よりやる偽善。自民党の新人議員さんたちの偽善っぷりには到底及びませんが。
たくさんの善意や偽善が無駄にならないことを願っている。